毎時間の授業に追われて、休み時間もろくに休めてない・・・
もっと子ども主体の学習スタイルにしていけたら・・・
今回はそんな悩みにお答えします。
わたしの経歴はこちら
- 小学校教員 14年目
- 通常学級担任 1、2、4、5、6年担任を経験
- 現在特別支援学級(知的障害)担任 1、2、3、4年担任を経験
- 生徒指導主事3年目
学習をパターン化するメリット
小学校の先生は、様々な教科を教えています。特別支援学級の担任は、複数学年分の授業準備をしています。
毎時間の授業の準備をもちろん丁寧に行いたいところですが、時間には限りがあります。
そして、先生だって、時には「あ!あのプリント印刷するの、忘れてた!」とか「準備していた〇〇を職員室に置いて来てしまった!!」家で準備しようと思っていたのに、うっかり寝てしまった…ということだってあります。
しかし、
いつもの〇〇〇をしておいてね!
と指示すれば、子どもたちだけで進められる授業パターンをいくつか教えておくと、その間に印刷をしたり、わずかな時間で授業の計画を立てたりすることもできます。
教師も楽ですし、子どもも見通しが立つので、心穏やかに学習に臨めます。
以下に、学習をパターン化する際のメリットについて詳しく紹介します。
安定感の提供
学習をパターン化することで、子どもたちは安定感を得ることができます。初めてのことに不安感が強い児童や集中力が続きにくく、指示理解が難しい児童は、特にこれまで経験したことのある学習の方が、見通しが立ちやすく、安心します。
毎日の授業や学習活動がパターン化されていることで、子どもたちは安心感を抱き、学習への集中力にもつながります。これは特に小学生にとって大切な要素であり、安心感が学習意欲につながります。
時間の有効活用
学習をパターン化することは、時間の有効な活用につながります。児童は予定を予測しやすくなり、時間を無駄にすることが減ります。効率的に時間を管理することは、学習の進捗をスムーズにし、授業のクオリティを向上させます。
教師もまた時間を有効に使うことができます。学習のスタートをいつも同じ学習パターンにすることによって、児童が自主的に学習に取り掛かることができます。その間にその授業で行いたい学習の準備や計画を行うことができます。
学習をパターン化 ~新出漢字での3ステップ~
新出漢字の学習のために、大体、どの学校でも漢字スキルや漢字ドリルなどの教材を購入していることが多いです。
これらの教材には、漢字の読みや意味、画数、使い方(熟語)、例文などが示されています。
私は、国語科の授業の初めにまず、これらの教材を活用して、新出漢字の学習からスタートするようにしています。
学習のスタートをルーティーン化しておけば、休み時間のうちに漢字スキルを用意している児童もちらほら出てきます。
そこで、すかさず「○○さん、さすが!漢字スキルの準備がばっちり!!!」と褒めると・・・
次のときには、準備する児童が倍増します。
ではここからは、実際の進め方を紹介します。
読み方や意味、画数、使い方、例文などを全員で音読し、確認する。
席の順で、1人ずつ漢字スキル(漢字ドリル)に書いていることを音読させます。
順に読むだけだと、中には人ごとのようにぼーっと過ごしてしまうという子どもも出てくることがあるので、代表の子どもが読んだら、全員が声をそろえて繰り返すようにしています。
そうすることで、ぼーっとしていた子どもは、全員の声にハッとして、こちらの世界に帰ってきてくれます(笑)
なぞり書き
本来は、気を付けることを説明し、一緒に指書きをして、なぞり書きに進みたいところですが、
(子どもだけでさせるときは)気を付けることや筆順が示されていることが多いので、
そこに注意しながら、丁寧になぞり書きをさせます。
練習
なぞり書きの後、練習をする欄があるので、枠からはみ出さないように自分で書く練習をさせます。
早くできた児童には、隙間に練習をさせたり、指書きを繰り返しさせたりするなど、遊ぶ隙を与えないように指示しておくことも大切です。
ワンポイントアドバイス
- 国語係が中心になって、進行する
(国語係)「漢字スキルの準備はできましたか?」 → (全員)「はい」
(国語係)「漢字スキルの○ページの3文字の漢字を練習します」 → (全員)「はい」
(国語係)「○○さん、読み方からお願いします」 → (○○さん)「音読みは・・・」
- 練習時間は1分などと決めておく
- 国語係がタイマーをセットする
- タイマーが鳴ったら、途中でも次の字へ
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学習をパターン化 ~音読練習~
音読の練習の仕方もいろいろあります。
全員で一文ずつ交代しながら読む
先程の漢字スキル(漢字ドリル)と同様に、席の順で、一人ずつ読んでいく方法です。
これは、個人で読むわけではなく、クラスの全員で進めていくので、先生が教室から離れている間に、「〇〇さんは、やらずに遊んでいました!」などと、後から報告を受けることは減ります。
しかし、順番に読んでいくので、一人一人が読む分量は少なくなります。練習をしっかりさせたい場合は、別のタイミングでするのもよいです。
一人一人(ペア)で音読練習をする
一人一人(ペア)で全文(教師が指定した部分)を音読練習する方法です。
一人一人が読むので、それぞれの活動時間が長く、練習量も多くなります。しかし、個人のペースで音読するので、読み終わる速さは様々です。
読めた人は、2回目、3回目を読みましょう!と指示しておくと、読むのが遅い人だけが残って、劣等感を感じるということは防げます。
とはいえ、大人がいない環境では、なかなか自分自身で集中して練習に取り組むことが苦手な児童がいることも考えておかなければならない点です。
ペアで交代しながら読むことで、読み方が分からない場合は教え合うことができます。また、一人では学習に取り組みにくい児童も参加することができます。
集中力が続きにくい児童のために、動きを入れることも効果的です。
一段落読んだら、立つよ!次の段落を読んだら、座るよ!というふうに、「立つ」「座る」という動きを入れるだけで、飽きずに練習に取り組める場合もあります。
ipadやクロームブックを活用し、音声に合わせて練習する
ipadやクロームブックを活用し、youtubeなどにアップされている朗読動画に合わせて音読する方法です。
これは、特別支援学級の担任となり、取り入れ始めた方法です。
すらすら読むことが苦手な子どもや集中力が続きにくい子どもでも自分一人で練習に取り組むことができています。なんとなくでも、読み進められるので、飽きません。
(できた気になっている子どももいます 笑)
また、この方法のよいところは、速度を調整できるということ!
ゆっくりの速さが適している子どもには速さを変えて、流しています。慣れてきたら、少しスピードアップするようにすると、やる気もアップします。
まとめ
今回は、「子ども主体でも安心して学習できる授業」というを目指して、学習のパターン化を紹介しました。
私たち教員は、学校で一人一人の子どもたちの命を預かっています。もちろん、子どもから目を離さない!というのが基本です。
教師も子どももゆとりをもって、安心して学べる環境を考えていきたいものですね。
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