【自立活動・生活単元】ボウリング大会をしよう~ゲームを通して楽しく学習する方法~

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集中力が続きにくく、机上での落ち着いて学習することが難しい児童がいる・・・

算数への苦手意識があり、楽しんで学習するためのよい方法はないかな?

こんな悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんなお悩みを解決します。

わたしの経歴はこちら

  • 小学校教員 15年目
  • 通常学級担任 1、2、4、5、6年担任を経験
  • 現在特別支援学級(知的障害)担任 1、2、3、4、5年担任を経験
  • 生徒指導主事4年目

この記事を読めば、分かること!

  • 「ボウリング大会」のねらい ~自立活動編~
  • 「ボウリング大会」のねらい ~生活単元学習編~
  • 「ボウリング大会」の流れ
  • ワンポイントアドバイス

「ボウリング大会」のねらい ~自立活動編~

自立活動の内容は「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」及び「コミュニケーション」の6区分27項目に分類、整理されています。

今回の活動内容は、この3つを中心に考えました。

2 心理的な安定(2) 状況の理解と変化への対応に関すること

3 人間関係の形成(4) 集団への参加の基礎に関すること

 コミュニケーション(5) 状況に応じたコミュニケーションに関すること

この活動を通して、身に付く力は・・・

  • ゲームで勝っても負けてもやり過ごすことができる(気持ちのコントロール)
  • 気持ちが不安定になったときにどうすればよいかを考え、行動できる
  • ルールを守って、ゲームを楽しむ
  • ゲームに負けた相手への適切な声掛けや関わり方が分かる

「ボウリング大会」のねらい ~生活単元学習編~

  • 算数科・・・ 数の分解、たし算、ひき算
  • 体育科・・・ ボール運動
  • 国語科・・・ 文章を書く、文章を読む、話を聞く

算数科の学習

具体的にどのように算数科の学習に活用できるかというと・・・

  • 残ったピンの本数から倒れたピンの本数を求めることで、数の分解やひき算の学習になります。

例)ボールを投げると、4本残りました。倒れた本数は何本でしょう?

・10は4と6(数の分解)→ 6本

・10ー4=6(ひき算) → 6本

  • 倒れたピンの本数を合わせて、得点を計算することで、たし算の学習になります。

例)1投目に7本倒れました。2投目に2本倒れました。合わせて何本倒れたでしょう?

7+2=9 → 9本

例) 1回目に9本倒れました。2回目に5本倒れました。合わせて何本倒れたでしょう?

9+5=14 → 14本

  • 複数でボウリング大会をすることで、数の大小やひき算の学習になります。

例)Aさんは61本倒しました。Bさんは90本倒しました。どちらがどれだけ多く倒したでしょう?

・61<90

・90ー61=29 → Bさんが29本多く倒した。

体育科の学習

ボウリングの学習を成立させるためには、このような力が必要です。

  • ボールを宙に投げずに転がす
  • ボールの方向にまっすぐ転がす
  • ボールをピンに当てる

ボールを投げる位置からピンまでの距離を調整することで、発達段階や特性に応じて難易度を調節することができます。

国語科の学習

学習の導入や終末では、国語科の学習につながる活動が多いです。

  • めあてを確認する(一律で提示しても児童自身が決めてもよい)→ 読む、伝える力
  • ボウリング大会の感想を書く → 文章を書く力
  • 感想を発表する → 読む、伝える力
  • 感想を聞く → 聞く力

「ボウリング大会」の流れ

  1. めあての確認
  2. ルール説明
  3. ボウリング大会をする
  4. 感想を書く
  5. 感想発表

めあての確認

例)ルールを守って「ボウリング大会」をみんなで楽しもう

活動を始める前に「みんなで楽しむ」ためにはどうすればよいかを話し合い、ルールを決めるというのもよいです。子どもたちの中から出た意見を板書するなどし、視覚的に意識できるようにしましょう。

  • 順番を守る
  • 人の邪魔をしない
  • 道具を大切に使う
  • 人が嫌な気持ちになることを言わない(しない)   など

ルール説明

話合いの時間がとりにくい場合は、以下のルールをおすすめします。

  • 足元にある印からボールを転がす
  • 人の邪魔や危険なことはしない
  • 1人2回ずつボールを転がす
  • 当たらない場合は、当たるまで繰り返し転がすことができる
  • 転がす番が終わった人は、ピンの方に移動し、次の日が倒したピンを直す係をする

ボウリング大会をする

うまく当てられない児童がいる場合や異学年で一緒に活動する場合には・・・

  • 当たるまでチャンスを与える
  • 投げる距離を変える
  • 先生とペアで行う       など

ルールを工夫することで、ストレスを感じることなく、いっしょに楽しむことができます。

感想を書く

文章を書くことが苦手な児童には、以下の点に気を付けて書くことを示します。

  • いつ
  • だれが
  • どこで
  • なにをした
  • おもったこと

例文を示したり、気持ちを表す言葉や様子を表す言葉を提示するとより詳しく書くヒントになります。

感想発表をする

感想発表では、話すとき聞くときのルールを明確にしておきましょう。

話すとき

  • 相手の方を見て
  • ゆっくり、はっきり
  • 一番後ろの席の友達にも聞こえる声の大きさで ← ボイスルーラーを活用し、色で声の大きさが分かるようにしておくといいです。

聞くとき

  • 相手の目を見て
  • 静かに
  • うなずきながら
  • 最後まで

みんなで楽しみながら、学習を進められるとよいですね。

ワンポイントアドバイス

  • 多動症の傾向のある児童には、審判係・得点記録係・ピンを直す係などの役割を与えることをおすすめします。意図的に動く役割を与えることで、生き生きと活動に参加することができます。
  • 高学年が中心となり、審判係・得点記録係・ピンを直す係などの役割を担うことでリーダー性を養うことができます。
  • 教師もいっしょになって楽しみましょう。児童同士、児童と教師にも相性があります。普段の関わりの中であまり人間関係がうまくいっていないと感じるときこそ、遊びを含んだ活動を通して、いっしょに楽しく学習することでより良い関係を構築することができます。

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