勝敗にとてもこだわりのある児童や、負けることが嫌だから友達といっしょに遊びたくないと訴える児童がときどきいます。
そのような児童への指導は、どのように行えばよいのか?私も悩みながら過ごしています。
今回は、このような児童への自立活動の実践を紹介します。
わたしの経歴はこちら
- 小学校教員 15年目
- 通常学級担任 1、2、4、5、6年担任を経験
- 現在特別支援学級(知的障害)担任 1、2、3、4、5年担任を経験
- 生徒指導主事4年目
この記事を読めば、分かること!
- 勝敗にこだわりのある児童の特性
- SST実践例「こんなときどうする?」
- おすすめの教材「あそびっくす!まなびっくす!」
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勝敗にこだわりのある児童の特性
負けることへの抵抗感が強い
負けを受け入れることが難しく、勝負に負けたときには非常にストレスを感じることがあります。このストレスは、児童の自尊心や自己肯定感に大きな影響を与えることがあります。
気持ちのコントロールが難しい
負けに対するフラストレーションを上手に処理することを苦手としています。悔しさや悲しさを受け止め、その感情を上手に発散する方法を学ぶ必要があります。
相手の気持ちを感じ取ることが苦手
相手の言葉や表情から、気持ちを読み取ったり、状況から気持ちを推測したりすることが難しいことがあります。
このような特性を理解しつつ、どのような学習をすればよいのかを考えていきましょう。
SST実践例「こんなときどうする?」
ねらい:心理的な安定、人間関係の形成
自立活動の内容は「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」及び「コミュニケーション」の6区分27項目に分類、整理されています。
今回の活動内容は、この3つを中心に考えました。
2 心理的な安定(1)情緒の安定に関すること
3 人間関係の形成(2)他者の意図や感情の理解に関すること
3 人間関係の形成(3)自己の理解と行動の調整に関すること
主な流れ
- めあての確認
- 絵カードから様子や気持ちを考える
- ふりかえり
めあての確認
相手の気持ちを考えて、どうすればよいかを考えよう
絵カードから様子や気持ちを考える
1 場面の説明
2 ふゆこさんの気持ちを考える
- 初めは楽しい
- はるくんに負けたくない
- 負けるのはいや
- 負けそうになってイライラしている
- 我慢ができない
3 この後、どんな困ったことが起きるかを考える
- はるくんが嫌な気持ちになる
- 二人でいっしょに遊べなくなる
- 仲が悪くなる
- もういっしょに遊ばないかもしれない
4 ふゆこさんはどうすればよいか(どうすればよかったか)を考える
- 怒ってしまったことを謝る
- 負けそうになっても気にしない
- イライラしてきたら、深呼吸をする
- 怒ってしまう前に休憩をする
- 大人に相談する
ふりかえり
授業の感想を発表し合いましょう。
- 考えたことや思ったこと
- これからどうしていきたいか
おすすめの教材「あそびっくす!まなびっくす!」
コミュニケーションやソーシャルスキルが学べる「あそびっくす!まなびっくす!」というカード教材があります。
そのカード教材で可能なクイズやゲームはこちらです。
① 3ヒントクイズ・・・傾聴する力、ワーキングメモリー、聴覚情報の統合
② お話ビンゴ・・・・3~4語連鎖の文表現(主語を入れた表現・女子の適切な使用・感情表現)
③ おかたずけゲーム・・聴覚情報の統合、推論する力、不確実な中実行する力
④ 位置あてゲーム・・・視覚記憶能力、記憶の方略の意識下
⑤ 早読みゲーム・・・・追視能力、呼応速度を早くする
⑥ お知らせゲーム・・・上下左右といった空間語の理解と表出、情報を伝える力、聞き取る力
⑦ 仲間分けゲーム・・・言葉の概念形成力、多角的視点や思考の切り替え、柔軟性
参考:https://www.stella-edu.com/blog/3946/
様々なゲームを通して、心理的な安定や人間関係の形成へ課題を克服していけるといいですね。
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