人前で話すことや友達とのコミュニケーションが苦手。
友達とのトラブルが多く、ルールを守ることができにくい・・・
今回は、そんな児童へおすすめの自立活動を紹介します。
わたしの経歴はこちら
- 小学校教員 15年目
- 通常学級担任 1、2、4、5、6年担任を経験
- 現在特別支援学級(知的障害)担任 1、2、3、4、5年担任を経験
- 生徒指導主事4年目
この記事を読めば、分かること!
- 「質問ビンゴゲーム」のねらい
- 「質問ビンゴゲーム」を通して身に付く力
- 「質問ビンゴゲーム」の流れ
- 「質問ビンゴゲーム」の実践体験談
「質問ビンゴ」のねらい
自立活動の内容は「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」及び「コミュニケーション」の6区分27項目に分類、整理されています。
今回の活動内容は、この3つを中心に考えました。
3 人間関係の形成(4) 集団への参加の基礎に関すること
6 コミュニケーション(4) コミュニケーションの手段の選択と活用に関すること
6 コミュニケーション(5) 状況に応じたコミュニケーションに関すること
「質問ビンゴゲーム」を通して身に付く力
- 自分の知りたいことを相手に尋ねる
- 相手が聞きやすいように自分の思いを伝える(声の大きさ、速さ)
- 人の話を聞くときの姿勢(うなずく、相手の見て、最後まで聞く)
- ルールを守って、友達と楽しくゲームをする
「質問ビンゴゲーム」の流れ
- めあての確認
- ルール説明
- 「質問ビンゴゲーム」をする
- ふりかえり
めあての確認
友達の目を見て話したり、聞いたりして質問ビンゴを楽しもう
ルール説明
- 質問をする順番を決める(例:A→B→C→D)
- 自分の色を決める(例:赤、青、黄、緑)
- 質問をする人(Aさん:赤)は質問カードを引いて、次の人(Bさん:青)に質問をする
- 質問される人(Bさん)は、聞かれた質問に答えられたら、ビンゴカードの好きなマスに自分の色(青)を塗る
- 答えられない場合は「答えられないので、次に進んでください」と言い、色を塗ることができない
- 自分の色が縦、横、斜めの3つ並んだら勝ち
「質問ビンゴゲーム」をする
質問カードの例
- 〇年生でがんばりたいこと
- 好きな○○(食べ物、飲み物、おやつ、給食、遊び、スポーツ、動物、場所、教科など)
- 苦手なもの○○
- 将来のゆめ
- わたしのよいところ、なおしたらよいところ
- 私の宝物
- もしも、魔法が使えたら…
- もし、1日透明人間になれたら…
- おすすめの本
- 今、はまっているもの
- 欲しいもの
- 春(夏、秋、冬)といえば・・・ など
同じ質問カードが出た場合は、もう一度引くようにすると、いろいろな質問ができます。
質問の仕方や答え方のポイントを事前に示しておくと、活動がスムーズにいきます。
質問の仕方のポイント
- 相手の目を見て
- 相手が聞き取りやすい声の大きさで
- ゆっくり、はっきり
- 答えが聞き取りにくかったところは「もう一度言ってください」」と聞き返す
答え方のポイント
- 相手の質問を最後まで聞いてから、答える
- 相手の目を見て
- 相手が聞き取りやすい声の大きさで
- ゆっくり、はっきり
ふりかえり
授業の感想を発表し合いましょう。
実践体験談
Webルーレットの活用
わたしは質問カードの代わりに質問ルーレットを使用しました。
インターネットで「ルーレット」と検索すると、いくつか無料で使えるルーレットが出てきます。
今回はこちらのサイトのWebルーレットを使用しました。
拡大提示装置に映することで、全員で質問内容を確認できるので、わかりやすかったです。
ルーレットの項目の内容や数は調整できるので、時期や児童の実態に合わせて変えて使用してください。
実態に応じてルールの追加を
わたしのクラスは1年生~4年生までいるので、質問に答えるときのルールを追加しました。
- 1年生は一文以上
- 2、3年生は二文以上
- 4年生は三文以上
こちらも児童の実態に応じて対応することをおすすめします。
児童のつまずきを学びに
実際にゲームを進めていると、このようなことも起きました。
- 質問に連続して答えられない
- どこに色を付けたらよいか決められない
- 自閉傾向の強い児童がパニックになりそうになる(ビンゴになりそうだったが、なれなかった)
そのときどきで、いっしょに考えたり、前向きに取り組めるように声掛けをしたりしました。
連続して答えることが難しかった児童も1時間の学習を通して、他の児童の様子を見ながら、少しずつ答えることができるようになりました。
連続して答えることが難しかった児童も1時間の学習を通して、他の児童の様子を見ながら、少しずつ答えることができるようになりました。
活動の前に話型を示しておくことも1つの手立てだと思います。
- テーマについての自分の考えをいう
- 理由(どうしてかというと・・・だからです)
- テーマについてさらに詳しく付け加える など
パニックになりそうになった児童の様子に気付き、色を付ける場所を変える児童もいました。
様々な特性の児童がいますが、それぞれに学びの多い学習になったと感じています。
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