私は、知的障害特別支援学級の担任をしています。
理解がゆっくりな児童が、どうやったら「楽しく」「前向きに」学習できるかということを日々考えながら実践しています。
わたしの経歴はこちら
- 小学校教員 15年目
- 通常学級担任 1、2、4、5、6年担任を経験
- 現在特別支援学級(知的障害)担任 1、2、3、4、5年担任を経験
- 生徒指導主事4年目
今回は、絵カードや学習者用端末(Chromebook、ipad)を使って楽しく漢字の学習ができる方法を紹介します。
この記事を読めば、分かること!
- ディスレクシアとは?
- 絵カードを使った漢字学習(書き取り)
- 絵カードを使った漢字学習(読み)~学習ソフトの活用~
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ディスレクシアとは?
漢字の学習方法について紹介する前に、ディスレクシアという学習障害について示しておきます。
ディスレクシアは、学習障害のひとつのタイプとされ、全体的な発達には遅れはないのに文字の読み書きに限定した困難があり、そのことによって学業不振が現れたり、二次的な学校不適応などが生じる疾患です。1896年に英国のMorgan先生が最初に報告しました。
ディスレクシア | 国立成育医療研究センター (ncchd.go.jp)
知的能力の低さや勉強不足が原因ではなく、脳機能の発達に問題があるとされています。そのため発達障害の学習障害に位置づけられており、2013年に改定された米国精神医学会の診断基準(DSM-5)では、限局性学習症(いわゆる学習障害)のなかで読字に限定した症状を示すタイプの代替的な用語としてdyslexia(ディスレクシア)を使用しても良いことになりました。読字に困難があると当然ながら書字にも困難があります。そのため本邦では発達性読み書き障害と呼ばれることもあります。
ここで示されている通り、児童の中には、懸命に学習しようと取り組んでいても脳機能の発達の問題により、定着しにくいという場合もあるかもしれません。
しかし、わたしたち教員がそれを判断することもできません。
このような学習障害があるということを理解した上で、児童への支援を考えていきたいものです。
また、学級担任や保護者だけで支援の方法を悩むのではなく、専門機関に相談し、よりよい支援を考えていくのがよいと思います。
絵カードを使った漢字学習(書き取り)
本校の特別支援学級の教室には、これまで担任していた先生方が購入してくれた教材や教具がたくさんあります。
その中で、使ってみて児童の反応がよかったものを紹介したいと思います。
見た目からも古いような感じがしましたが・・・使ってみると案外よかったです。
箱の中には、絵と漢字が書かれたカードが入っています。
また、このカードは、下の漢字が隠れ、上の絵だけが見えるような箱に収納されています。
児童は、上の絵を見て、漢字を答えるという学習ができます。
私の場合は、ホワイトボードとペンを使って、漢字をボードに書かせるという方法で漢字ゲームをやってみました。
低学年で習う漢字は、物の形から連想しやすい象形文字が多いので、漢字を答える手掛かりにもなると思います。
カードの裏には、音読みや訓読み、使い方が書かれているので、語彙を増やすこともできると感じました。
絵カードを使った漢字学習(読み)~学習ソフトの活用~
絵カードを使った漢字の学習には、学習ソフトを使ったものもあります。
今回は、特別支援を必要とする子どもたちのために開発された学習ソフトを紹介します。
学年ごとに漢字の練習をすることができるようになっています。
正解か不正解かは教師がボタンを押すようになっています。
具体的な取り組み方としては・・・以下の2つが考えられるかなと思います。
- 子どもといっしょに取り組む
- 紙などに答えを書かせておいて、教師が後で採点する(児童が漢字を書けたら、自分で正解ボタンを押す。 or 分からなければ、不正解ボタンを押す)
10問ずつになっているので、量も適度だと思います。
ぜひ、ご活用ください。
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