特別支援学級の担任には、空き時間がないってホント?
時間割ってどのように決めているの?
これから特別支援学級の担任を目指している方や初めて特別支援学級の担任をする方は、疑問に思うことでしょう。
そこで、今回はこのような疑問にお答えします。
わたしの経歴はこちら
- 小学校教員 15年目
- 通常学級担任 1、2、4、5、6年担任を経験
- 現在特別支援学級(知的障害)担任 1、2、3、4、5年担任を経験
- 生徒指導主事4年目
この記事を読めば、こんなことが分かります!
- 特別支援学級担任って楽なの?大変なの?
- 特別支援学級の時間割
- 特別支援学級担任の授業時数や空き時間は?
特別支援学級担任って楽なの?大変なの?
教育現場で働いていても、こんな声を耳にすることがあります。
ここでは、小学校で13年間勤務し、通常学級と特別支援学級の両方の担任を経験して感じた私の個人的な思いを紹介します。
特別支援学級担任の方が楽!
- 宿題のチェック ・・・ 少人数なので、朝の時間だけで見ることができる
- テストの採点、直し ・・・ テストをする時間で○つけと直しまでできる
- 児童の様子を把握 ・・・ 少人数なので、コミュニケーションをとる時間が持てる
- 保護者との連携 ・・・ 毎日、連絡ノートで情報交換をするので、情報共有がしやすい
- 帰宅時間が早め ・・・ 宿題や授業ノート、感想などのチェック、朱書き、プリントの印刷などが少なくて済むため
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特別支援学級担任の方が大変!
- 1時間で複数の学年の授業を進めなければならない(下で詳しく説明)
- 毎日、複数学年の授業準備が必要
- 特性のある児童への関わり方に悩む
- 交流学級での児童の様子を把握することが難しい ・・・ 児童が交流学級へ行っている場合、大半は特別支援学級で他の児童と授業をしているので、交流学級へ様子を見に行くことができない
- 交流学級担任との連携 ・・・ 児童が在籍する複数の学年・学級と学習や行事の予定を確認する必要がある。教室も遠い場合があるので、すぐに相談することが難しいこともある。
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では、実際、特別支援学級担任は、楽なの?大変なの?
この答えは、結論、人それぞれなのではないかと思います。どちらが自分に合っているかという点で感じ方も違いがあるかもしれません。
私が感じることとしては、日中の大変さは同じ。放課後の時間の過ごし方でいえば、特別支援学級担任の方がゆとりがあるように思います。
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特別支援学級の時間割
1週間ごとの時間割(週案)
学校では、週案という1週間分の学習活動を計画するものがあります。
○月○日○曜日のこの時間はどの教科のどんな学習をするのかを明確にします。
教育課程上、1年間で各教科における学習時間というものが決まっているので、大枠の時間割は年度始めに決定されているのですが、行事や学習の進度等によって、必ず毎週その通りに授業をするというわけにはいきません。
そこで、特別支援学級の担任は、前の週の中頃~終わりに交流学級の担任が立てた週案をもとに、自分のクラスの週案を立てます。
当日の時間割
通常学級の担任をしていたときは、特別支援学級の授業との兼ね合いもあるので、できるだけ週案通り進めようとはしていました。
しかし、週案を立てるのは、前の週なので、授業の進度や急な行事などで実際に実施する授業は週案とは異なることもありました。
変更が分かり次第、関係のある学級には連絡を入れることが大切です。
また、特別支援学級の担任としてはこのようにしています。
- 週案で1週間の予定を立てる
- 前の日に各交流学級で児童に示される時間割を確認する
- 当日の朝、各交流学級で変更がないかを確認する
教室での時間割表示
教室では、児童にその日の時間割が分かるように示しています。このように示すことで、児童も学級担任も教育支援員も自分の居場所、学習の見通しが持つことができます。
- 黄色 ・・・ 特別支援学級で学習する
- 赤 ・・・ 交流学級で学習(教育支援員が付き添う)
- 青 ・・・ 交流学級で学習(特別支援学級担任が付き添う)
特別支援学級担任の授業時数や空き時間は?
こちらも児童の教育課程や各学校の実態(教員の配置)によるので、明確に伝えることは難しいのですが、児童がどこで学習しているかという基本的な傾向をお伝えします。
児童の学習環境に応じて、担任の授業時数も変わります。
- 生活単元学習 ・・・ 特別支援学級
- 国語科(書写も含む)、算数科 ・・・ 基本的に特別支援学級(学習内容によっては交流学級で一部行うときもある
- 生活科、理科、社会科、音楽科、図画工作科、体育科、家庭科、外国語科(外国語活動)、道徳科、総合的な学習の時間、学級活動 ・・・ 学習についての説明を聞く、協働学習が適切なときは、交流学級。個別に作品を製作したり、個別に学習する方が適切なときは、特別支援学級
空き時間として考えるのであれば、担任している児童が交流学級へ行っている時間ということになります。
しかし、前の時間割(写真)で示した通り、全ての児童が交流学級へ行っているときでも、基本的に交流学級へ付き添います。(写真の青丸)主に授業を進めてはいないけれど、児童支援や交流学級担任のサポートをしているという状況です。
通常学級の担任をしている場合でも、専科(音楽科、理科、外国語など)の時間が空き時間となりますが、学級や学校の実態に応じて、T2で授業に入ったり、教室で見守りながら自分の仕事をしたりするということも起こりえるのと同じかもしれませんね。
実質、空き時間はないと考えるのが妥当かと思います。
教員の働き方については、いろいろ議論がされています。とても魅力的な仕事である反面、大変なところは正直あります。
もう少しでも業務が軽減され、児童とかかわりを持てる、自分のプライベートを大切にできる余裕ができる職場になればよいなと思っています。
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